日本の私鉄

  • 和久田康雄 著
  • 岩波書店 岩波新書(黄版)158
  • ISBN4-00-420158-6
  • 著者は,元運輸省に所属した公務員。その後,民鉄協会や鉄建公団の理事を務めている(Wikipedia情報)ので,鉄道関係がメインだったんだろう。しかも,鉄道関係の著作がある上に,著書によれば,廃線となった尾小屋鉄道の保存会のメンバーでもあるというので,鉄道が好きなのだろう。
  •  内容は,明治の鉄道黎明期から現代(1980年頃)までの私鉄の歴史と,私鉄(鉄道)の利点と問題点など。ところどころに,キー・パーソンの1ページ程度にまとめた評伝が入っている。
  •  歴史の中では,数多くの私鉄が誕生し,会社の名前が変わったり合併したりと,複雑な経過をたどっているが,本書は,それがコンパクトにまとめられ,さらに法律上の区分けだとか,電機会社やバス会社との関係など,多くのことが書かれ,鉄道趣味人としては,ためになる一冊。 惜しむらくは,著者は既に亡くなられていて,アップデートされた改訂版が出ないこと。
  •  長らく絶版になっていたようだが,「岩波新書クラシックス 限定復刊」とのことで増刷されたようだ。大学時代に読んだことがあり,本屋で見かけて懐かしくて買ったが,改めて読んでも面白かった。

評価:★★★★★ 鉄道が好きだったり,興味を持っていたり,学んでみようと思う人は,一度読んでみると良い。

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